娘と一緒にやりたい100のコト

2児の父と小学5年生の娘の話

⑮突然の家庭訪問

 

 

月曜日、火曜日と連続して休んだ。土日から数えると連続4日学校に行かなかったことになる。娘にとっても父にとっても初体験のゾーンに突入している。

娘は休みが続くと不登校になってしまうのではと新たな不安も抱えているようだが、休んだらそれはそれでやることも楽しく、何より気が楽なようだ。
朝は少しだけ近くを散歩した。

昼前に担任の先生から電話があった。

午後の授業は「クラブ」なので、その時間だけでもよければ来ませんか?というお誘いのような電話だった。
先生も娘が出やすい授業を考えてくれているようだ。

クラブとは4年生から始まる中高学年の交流授業で、娘は音楽クラブを選んでいる。

娘に「先生からクラブだけでも来る?って電話があったよ。」と伝えたところ、昼食後で少し気持ちが悪くなっていたようで、「今は歌ったりするのキツイかな」という返事。

「無理をしない」が合言葉なので、せっかくのお誘いではあったが、先生に電話をして「今日はこのまま休みます」と返事をした。

電話を切った後、今日は行けなかったが、またオススメ授業の案内をいただけるとありがたいなーと思っていたら、担任の先生から再度電話があってびっくりした。
心の声が聞こえたのだろうか。いやいやそんなはずはない。

先生は土日を挟み4日間娘と顔を合わせていないので、もし無理じゃなければ娘の顔を見にきたいと言うことだった。つまり家庭訪問だ。

時間的には先ほどおすすめのクラブの時間で、放課後ではなく学校の途中で抜け出してきていただく感じ。わざわざご足労いただくのは気が引けたが、娘に聞いたところ「ワンピースのフィギュア、並べよう!」と前向きなノリだったので、ぜひお越しくださいと伝えた。

12:30から13:00の間に訪問するとのことだったが、その時間までは1時間もなかった。
急いでワンピースのフィギュアを並べ、掃除機をかけた。

ほぼ準備が終わると、娘は少しソワソワし始めた。
プレッシャーに似た感情が出てきていたらしい。

家のインターフォンがなり、担任の先生が写った。
そして隣には児童支援の先生もいた。
「あっ、児童支援の先生もいたよね?」

娘は少しほっとしたように見えた。

先生は玄関先で娘の顔が見れたらそれでいいと言っていたが、娘は家の中にいたし、せっかくフィギュアをも並べていたし、少し無理を言って中に入ってもらった。
2人の先生は学校で会うより、よそ行きの雰囲気があった。
人の家に入るのは、しかも状況が状況なだけに、当たり前か。

担任の先生はフィギュアを見て、きれいに並んでいるね!と驚き、娘の推しキャラを聞いた。
担任の先生は中学校のことワンピースにはまっていたらしい。
児童支援の先生は担任の先生に「ナミに決まっているでしょ」と小さな声で伝えていた。
ワンピースがあったおかげで家庭訪問の空気が和んだ気がする。

担任の先生は、好きな授業だけでもいいし、放課後でもいいし、無理なく来れる時に来たらいいよと声をかけてくれた。
そして、最近学校で行われたテスト用紙などをいくつか置いていってくれた。
娘もそれを望んでいたから喜んで受け取った。

娘は夏休みの前の漢字50問テストで100点を取り、夏休み明けの50問テストでも満点を取るのが当たり前といわんばかりに漢字の勉強をしていた。夏休み最終でも追い込みのように漢字を覚えていた。

そんなこともあり、夏休み明けは保健室やひまわりで過ごすことが多く、50問テストを受けることができなかったことを心残りにしていて、こうして漢字50問テストにチャレンジできる機会が得られたことは、娘にとってはチャンスにも感じられたのだと思う。
まるで忘れ物を取りに行くような漢字テスト。

先生は20分程度で帰られた。
娘の顔色もよく、家にいるときは時に問題を抱えているようにも見えないため、少し安心してくれたのでないだろうか。

娘は先生たちが帰った後、早速漢字テストに取り掛かり、夏休みの勉強の成果を発揮していた。
夏休みから10日以上経ち、一夜漬け的に覚えていた苦手な感じもあったが、答えは聞きたがらず、必死に思い出し、回答欄を埋めていった。本番のテストのようにチャレンジをしていた。

漢字テストが終わると、そのまま算数のテストもやった。
算数も夏休みのドリルをやり切っていたのでほぼわかる問題だったが、多角形の角度の問題などは初めて見るものもあり、難しい問題があった。
久しぶりの計算や勉強だったこともあり、算数のプリントが終わるころには娘はへとへとになり、泣いてしまった。
娘なりに、疲れたというサインを出していたのだが、
テストに自主的に向かう姿を見て、ちょっと嬉しくなってしまっていた私は「あと2問だけ」と少し無理をしてやらせてしまったことを後悔した。娘のペースでゆっくりやればよかったのに。ごめんね。

学校は休んだが、2人の先生に会えたこと、テストを2教科やったことで娘はまるで学校ですごしたような感覚になったらしい。
今日はすっきりした気持ちで、少し楽になっているように見えた。

やはり家族だけではなく、他の誰かと会うことは重要なのかもしれない。
今はできるだけ寄り添いたいが、人と繋がる機会も考えなくては。
気分転換にもなるし、社会につながることにもなる。

そう考えると小学校は問題が取り除ければきっと良い環境に違いない。
小学校にいくことだけがベストだとは思わないが、小学校と言う環境を考えればよい選択の一つであることは確かな気がする。


先生たちは「放課後でもいい」「いつでも来れる時に」と言ってくれたし、学校の通い方も柔軟に考えていければと思う。
今は気持ちを楽に、娘の心を充電することを最優先しよう。