娘と一緒にやりたい100のコト

2児の父と小学5年生の娘の話

㊴誕生日と発表会


朝6時に起きた。
大人の私が眠いのだから、娘はもっと眠いに違いない。
やっぱり寝ていたいと言うかとも思ったが、約束なのでモーニングコールをした。

 

何度かコールしたが娘は起きず、「かけたよ」という証拠を残して、そのまま寝かせようかと思ったとき、娘はゆっくり目を開けた。

 

「どうする?眠いなら寝ててもいいんだよ」と伝えたが、娘は明らかに起きたくなさそうだった。と同時に、置いて行かれるのも嫌そうで泣きだしそうになっていた。

まだ出発まで時間がある。
それまでに決めたらいいよ、寝ててもいいんだよと伝えて、長男の弁当の準備のためキッチンへ移動した。

 

 

発表会やコンクールの時はさっと食べられるようにおにぎり弁当を作る。
またさっと食べられるウィダーなどのゼリー飲料を何個か持っていく。
だから準備にはそれほど時間はかからない。

 

準備を終えて再度娘のところに行くと、「一緒に行く」と起き上がった。
実際は車で往復しても間に合う計算だったが、万が一を考えると公共交通機関のほうが安心できるという長男の意見もあり、今回は電車での移動を選んだ。

 

こうして長男の発表会への道のりは、父親と兄妹の早朝電車ツアーになった。
これはこれで特別感がある。

 

乗る電車を間違えて焦る場面もあったが長男が早々に気付き事なきを得た。
目的地には30分以上余裕をもって着くことが出来た。

 

 

長男は準備で早く着いたが、観覧する家族には開演まで3時間ほど時間がある。
娘と私は最寄りの駅に戻り、カフェでモーニングを食べながら空き時間を過ごした。

 

開演前には妻や祖父母と合流した。
発表会での長男はとてもやさしい雰囲気で、彼らしい出来栄えだと思った。
実際は緊張していたらしいが、そんな素振りはまったく感じさせず、堂々としていて素晴らしい出来だった。

 

 

家族は昼過ぎに解散したが、長男は夜19時まで会場に残った。
帰りは車で迎えに行き、会場からわずか20分程度で帰宅した。

 

 

長男が家に帰ってきたところで、あらためて誕生日を祝った。
親からは事前に聞いていたスイッチのゲームをプレゼントした。
娘からのプレゼントはみんなでハッピーバースデーを歌いながら渡した。
きっと長男も喜んでくれたと思う。

 

 

娘には私からオマケのプレゼントを用意した。
心ばかりのものだが、ワンピースの塗り絵と小さなポーチだ。
娘は素直に喜んでくれたように見えたが、同時に泣き崩れてしまった。
きっといろいろな思いが交錯したのだろう。

 

夜20時から私は研究の打ち合わせと、その後に簡単にカウンセリングを受けるため、娘に1時間程度別室に移ることを伝えた。

 

娘のことというより私自身のこと、親としてどのように接するべきかの悩みを打ち明けていた。

仕事の打ち合わせが30分程度で終わり、カウンセリングの時間になってまもなく娘からショートメールが届いた。

少し不安の波が押し寄せてきている様子だった。

 

次第にメールの内容は助けを求める内容に変わっていき、間隔も短くなっていった。

 

今朝は早かったし、遠出もしたし、娘は寝不足だ。疲れも重なり、不安が増してしまったのかもしれない。

 

事情を話し、カウンセリングは切り上げて娘の待つ部屋に戻った。
娘は謝りながら泣き、泣き疲れて眠った。